起きたことは思ったことを超えてゆく
一般的に、コミュニケーションとは「言葉遣い」「相手を理解すること」「敬意を示すこと」「伝え方や聞き方を整えること」などと認識されているようです。
「恐れ入りますが」「申し訳ありませんが」というクッション言葉があります。「確認ですが」「複唱します」という確認会話があります。
「あなたのおかげで助かりました」「ありがとうございます」という感謝の言葉を伝える場面もあります。ただ、このような言葉を発信した後、言葉を受け取る相手が何を思っているのか、どのように伝わっているのか判断しづらい部分もあるでしょう。
男性の友人から相談を受けました。友人が妻と二人で、車で夕食の材料を買いにスーパーに出かけた帰り道(友人が車の運転している)、妻が友人に対して「夕食に飲もうと思っていたビールを買い忘れた。少し先のコンビニに立ち寄って、いつも私が飲むビールを買ってきてくれへん?」と伝えたそうです。
友人は妻が飲みたいと思っているビールを買うのだから、妻本人が買いに行けばいいのではと思い「自分で買いにいったら」と伝えたそうです。
すると妻は「もういい」と言い、黙りこんでしまったとのことでした。
夫が妻からの依頼に返事をする際、心の中で思っていた理由を伝えないからだとか、最初から、妻が自分で買いに行くと言わないからだとか、そもそも、スーパーへ買い物に行った際、買い忘れがないかチェックしないからだとか、様々な見方があると思います。
誰しも、自分の行動の手前には感情的な動機があり、それは正しい思っています。ところが、なぜかうまくいかないことが起きたりもします。
何かを提案する。期待していた答えに反した反応が返ってくる。
そんなとき、発想の転換をする人もいれば、何も言わなくなる人もいれば、理由を問う人もいれば、感情的な表現をする人もいる。なぜだろう。